護念院の概要
当院は、正式名称を「當麻寺紫雲山護念院」と云い、當麻寺塔頭の中核をなす浄土宗寺院です。
當麻寺塔頭責任寺院の一つとして、4年ごとに當麻寺の代表住職を拝命しております。
境内に納骨回向所を持つ数少ない塔頭として、多くの参拝者が集うお寺です。
また、悲劇のヒロインとして有名な中将姫の「棲身旧跡寺院(尼となった中将姫がお住まいになっていたお寺)」として古くから多くの信仰を集めています。
當麻寺では毎年5月14日の中将姫のご命日に、「練供養会式」(正しくは聖衆来迎練供養会式)が営まれます。中将姫が国宝の「當麻曼陀羅」を一夜にして織り上げた後、29歳で生身のまま極楽浄土へ往生されたという伝承をそのまま現したものが練供養会式です。
この中将姫をお祀りするお寺であったご縁より、練供養会式に使う菩薩面、古来より当院へ寄進されて来た菩薩装束や菩薩持物、菩薩輪光等を管理し、また練供養会式の運営主体である「菩薩講」の取りまとめも当院が行っております。
護念院の建物
- 本堂 日々のお勤め、法要を執り行います。
- 庫裏 客殿への入口となります。
- 納骨堂 樹齢300余年のしだれ桜に見守られています。
- 客殿 平成24年建て替え。各種行事・法要・会議にご利用いただけます。観光シーズンは「お茶席」が設けられます。
護念院の持仏等
- 【木造阿弥陀如来立像】 鎌倉時代當麻寺聖衆来迎練供養会式で大きな役割を果たす護念院のご本尊。印相は、円仁ゆかりの霊験仏たる京都・真正極楽寺(真如堂)の阿弥陀如来像に通じる。
- 【木造阿弥陀如来坐像】 平安時代後期柔らかな肉付き、浅く整えられた衣文(えもん)などは、長和2年(1013)の奈良・興福寺薬師如来坐像を想起させる。
- 【木造法如(中将姫)化生坐像】 江戸時代この世の身を離れ極楽に向かう中将法如の姿。合掌する菩薩の姿で表される。當麻寺聖衆来迎練供養会式では、観音菩薩・勢至菩薩が来迎すると、本像が法如二十九歳の姿の像から取り出され、観音菩薩の持つ蓮台に載せられる。
- 【十一面観世音菩薩立像版木】 鎌倉時代縦約170cmという大型の十一面観世音版木。来迎の十一面観世音菩薩を表す。鎌倉時代以降、十一面観世音菩薩に対する篤い信仰から多くの墨摺りが行われてきた。
- 【梵鐘(奈良県指定有形要文化財)】 南北朝時代「文和閼逢敦祥(三年)仲冬哉生魄」「大工藤原国安鋳」等の刻銘がある。
護念院の庭園
回遊式庭園「双塔園」は、日本で最古の創建当時の姿が現存する東西両塔を借景として望め、約千株のぼたん、樹齢二百余年の大つつじ群、樹齢三百余年以上とされるしだれ桜を擁し、四季折々の表情を楽しませてくれます。
- 北庭 枯山水庭園(江戸時代中期)
- 西庭 池泉鑑賞式庭園(江戸時代中期)
- 南庭 双塔園(大ボタン園)
四季の花
護念院の庭園には四季を通じて色とりどりの花木が楽しめます。これは、仏様に供えるお花を絶やさないという意味もあります。
寒アヤメ(1月) ツバキ(2月) ロウ梅(2月) 紅梅・白梅(3月) 樹齢300余年のしだれ桜(3月下旬) 山桜・オオヤマレンゲ・サツキ(4月) 牡丹(4月中旬) 樹齢200余年の大ツツジ(5月上旬) シャクヤク(5月) ノウゼンカズラ(7月) 蓮(7月~8月) カエデ(11月)
年中行事
- 修正会(當麻寺)1/1~1/6
- 春の彼岸会(當麻寺・護念院)3/18~3/24
- 練り初め(護念院)4/29
- 當麻寺練供養会式(當麻寺)・特別法話(護念院)5/14
- 蓮華会式(當麻寺)7/22~7/23
- 地蔵盆(護念院)8月
- 施餓鬼法要(護念院)8/15
- 秋の彼岸会9/20~26(當麻寺・護念院)
住職紹介
葛本雅崇(くずもと がそう)
1970年奈良県生まれ。45歳。国立神戸大学教育学部卒。
公立小中学校の教諭を務めながら、護念院に奉職。
2005年に當麻寺護念院22世住職を拝命。
寺族紹介
葛本俊彦(くずもと しゅんげん)
護念院老祖。當麻寺護念院21世住職。
葛本大志(くずもと たいし)
2014年に得度。
葛本志保(くずもと しほ)
国立神戸大学教育学部卒。小学校教諭を経て當麻寺護念院へ。
2000年4月~2003年3月 香港でプレイグループの立上げと運営を担う。
帰国後、アルク児童英語教師資格を取得し、アルクKiddyCAT英語教室當麻寺校を開設。