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お寺が担う本当の役割

私が子どもの頃は、日常のお使いは近くのお店に買い物かごとメモを片手に歩いて行き、お寺の行事や地蔵盆等地域行事にはおばちゃん達の炊き出しを楽しみにし、お出かけの時には駅までの道のりを、地道を通って楽しく歩いたものです。しかし、当麻の里周辺にも大型のスーパーができ、行事等での炊き出し機会も少なくなり、村内の多くの地道も舗装されるなど、当麻の里の景色も生活も変わってきました。

しかし生活環境や様式が大きく変わっても、人の心はそれほど大きく変わっていないのではないでしょうか。ここ當麻の里においては、四季折々の二上山を見てはその姿に感じ入り、春には當麻寺練供養会式を勤め、秋には地車曳を盛大に行う。我々は四季を通じた生活や行事を通して、先人から受け継いできたものを心身ともに受け止め、次へと繋いできているのではないかと思うのです。

そのような中でのお寺の役割とは何でしょう?

お寺は法事や法要、お墓参りなどに行くところです。でもそれだけではなく、それらの仏事的行事を通して、自分自身のことや、生や死について考えるところでもあります。

また、日々の生活の中で、私たちが本来あるべき自分の姿を見失ったりした時に、心の安らぎや癒しを得て、自分を取り戻す場所でもあります。

お寺は死んでから行くところではありません。生きているうちにこそおいでいただき、大切な方を心ゆくまでご供養し、ご自身を見つめ直せる場所です。

護念院は常に、皆様方の願いや想いに応え、寄り添うことのできるお寺でありたいと思っております。


護念院22世住職 葛本雅崇

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