練供養(當麻連座)とは?
練供養とは、臨終の際に当たり、仏・菩薩が訪れて極楽浄土に迎える様子を、具現化したものです。
難解な宗教の教えを、誰にでも分かるよう劇化することにより、「衆生来迎」という難解な教えを分かりやすくしたものと言われています。
練供養自体は、日本全国に幾つか伝わっていますが、その中で一番歴史があり規模が大きいものが當麻寺で行われる練供養です。
極楽に見立てた本堂(曼陀羅堂)とこの世に見立てた娑婆堂の間、120メートルを橋(来迎橋)で結び、きらびやかな菩薩面と衣装を身にまとった菩薩(衆生)の行列は、仏画の世界から抜け出してきたかのようです。
當麻寺練供養会式は、正しくは「衆生来迎練供養会式」と呼び、當麻寺に伝わる「中将姫伝説」を基にした物語を再現します。
當麻の地では、當麻寺練供養会式が行われる5月14日を「當麻連座(たいまれんぞ)」と親しみを込めて呼ぶ習わしがあります。
「れんぞ」の日には、仕事(農作業)を一日休み、親戚や知己を招きごちそうする日で、嫁いだ娘が藪入りで帰って来る日でもあります。その意味は、農耕儀礼にまつわるもので、農事始めの日であり、一年のけじめの日であると考えられています。
いつの頃からか、この「れんぞ」が「練供養会式」と結びついて、「當麻れんぞ」となったのです。
「當麻寺練供養会式」は當麻寺の法要ではありますが、実はその運営に「菩薩講」の尽力があることはあまり知られていません。
菩薩講は地元の講員により構成されていますが、この菩薩講を取りまとめているのが當麻寺護念院で、中将姫が最後に住まわれたお寺です。
このホームページでは、中将姫と菩薩講の視点から、練供養を解説しています。