photo by 當麻武氏
去る4月14日、小雨の降る中、當麻寺聖衆来迎練供養会式を無事厳修させて頂きました。
中将姫さまのご命日は旧暦の3月14日。今年の新暦4月14日は旧暦3月10日にあたります。古来旧暦の3月14日に営まれていた会式ですが、旧暦から新暦へと移行した際に、當麻の里の祭事に合わせて5月14日に営まれるようになったと伝え聞いております。4月には山口神社で、5月には當麻寺で勤め事をし、6月の田植えに臨む、そのような暮らしが今日まで脈々と繋がってきました。しかし、當麻の里の暮らしの変化だけでなく、気候の変化にも伴い、今年度から4月に執り行うようになったことは自然の導きによるものと受け止め、今年度の会式の準備に粛々と取り組んで参りました。
練供養会式の当日に雨が降ると、それは中将姫の涙雨であると云われてきました。しかし、それは悲しみの涙ではなく、極楽へ迎えられる歓びの涙であるということです。今年度も、中将姫さまの思いを受け、地元菩薩講當麻組の皆さんを中心に何度も寄り合いを持ち、この日に臨んできました。毎年の会式を通し、我々一人一人が成長し、信仰を自分のものとして生きる安心に繋げていくこと、このような當麻の里の人々の姿は、中将姫さまにとっても歓び以外の何物でもないかと思います。また、小雨の降る中でも、菩薩の来迎を拝もうと境内に多くの方が参られていたことも、我々の胸を熱くするものがありました。
様々な事に思いを巡らせながら勤めた今年度の会式ですが、事故なく怪我無く、無事勤め終える事が出来たこと、そして、菩薩役という大役を勤められた皆さま方を笑顔でお見送りする事が出来たこと、中将姫さまだけでなく、私も歓びいっぱいの気持ちでありました。
また来年度以降、より良い式を勤められるよう精進してまいりたいと思います。ご参拝の皆さま、菩薩講の皆さま、関係者の皆さま全てに改めて感謝申し上げます。
合掌拝
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