4月29日(金)、當麻寺練供養会式の運営主体である「當麻寺菩薩講」の皆様方と共に『練り初め』を厳修いたしました。
護念院では毎年この日、早朝よりお檀家様を始めとして菩薩講の皆様方が参集され、大変賑やかな一日となります。
帳場では、お塔婆回向の受付や書く準備をしたり、村方菩薩講連名史・各村菩薩講連名史・菩薩抽選番号控え等を整えたり、抽選の際の紙縒りを作ったりします。
台所では、皆様のお昼ごはんである精進料理を作っていただきます。
食材の筍は、当院の竹藪から住職が掘ってきたものや、お檀家さんから頂いたものを使います。
諸々の準備が整った午前11時頃から、炊き出していただいた美味しい精進料理を皆さんでよばれます。
そして、午後1時。
まずは、当院本堂にてのお勤め。
皆様方とともに、中将法如尼様や菩薩講各家のご先祖様のご回向を致します。
1時間程のお勤めのあと、菩薩講代表の挨拶、葛城市長の祝辞に続き、いよいよ当年の菩薩役の配役を決める抽選へと移ります。
この配役の決め方は、昔から変わることがありません。
それぞれの引かれたくじの番号に従い、引き換えの木札をお渡しします。この木札は、当日の菩薩装束及び菩薩面との引き換えになる大切なものです。木札は古いものでは江戸期のものが残っています。
このようにして配役が定まった後、当年の観音菩薩・勢至菩薩役のお二人による『練り初め』を勤めます。
住職が称える『来迎和讃』に合わせて、中将法如を蓮台に救いとる所作を皆様方に拝観いただきます。
5月14日当日の練供養会式では娑婆堂内での所作となるため、一般の方はなかなかご覧いただくことができないお勤めです。
無事に『練り初め』を終えた後、菩薩役を勤められる方々には、約2週間後に控えた会式までの心構えと精進潔斎をご案内させていただきました。
当院では、本番までの2週間の間にも講員方に何度か集まっていただき、所作の練習や菩薩装束の着付け、菩薩面の着脱の研修等を行います。
一千年以上に渡って連綿と続く『當麻寺練供養会式』は、このような菩薩講員の寄り合いを重ねて創り上げられている法要であることが、我々の誇りでもあります。
合掌
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