當麻寺の東門(仁王門)阿形像の頭部に、今年もニホンミツバチの姿が見られます。阿形像の頭部内が、いつ頃からニホンミツバチの住み家になったのか、はっきりとは分かりませんが、當麻寺は此までも、信仰に基づく多くの参拝者の皆さまのお寺であり、また、自然豊かな里として、様々な生き物が住む場所でもありました。そして、この場所は、現在も、少なからずニホンミツバチが生息することの出来る環境にあることが分かります。
現在、當麻寺では、當麻寺の仏様であり、葛城市の文化財でもある仁王門阿形像の修復事業についての協議を進めています。これは仏様を次世代へ守り伝えるためです。その観点に立ったとき、修復事業の際には、ニホンミツバチの巣を取り出すことも検討される可能性があります。
一方で、我々はニホンミツバチの生態系を守ることも考えなければなりません。そこで、吉川 浩さん(大和ミツバチ研究所 所長・NPO法人ビーフォレスト・クラブ代表)や中谷康弘先生(橿原市昆虫館)、また、学校教員でおられる新子谷先生より、ご助言・ご指導を頂き、ニホンミツバチの生態系を守るための今後の対応も検討しています。
ご参拝者の中には、仁王像頭部のニホンミツバチを見て驚かれる方もおられるかとは思います。しかし、ニホンミツバチは大変大人しく、観察をするくらいなら滅多に刺すことはありません。ニホンミツバチは一度刺すと死んでしまいますので、不必要に人を攻撃することがないからです。万が一、体にまとわりついてきたりしてきた時は、すみやかに、ゆっくりと遠ざかるなどして頂ければ大丈夫です。
當麻寺としては、ご参拝の皆さまにとって安心してお参りできるお寺でありたいと思います。また、同様に、ニホンミツバチやその他の多様な生き物にとっても良い自然環境である場所でもありたいと思います。
どうぞ、皆さまのご理解とご協力をお願い致します。
合掌拝
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